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甲斐みのりさんがナビゲートする、
色彩豊かな駒沢オリンピック公園総合運動場

甲斐みのり(文筆家)
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駒沢オリンピック公園総合運動場


 スポーツやレクリエーションを楽しめる場所として手軽に利用できる、都立のスポーツ施設。実は、名建築が多いことでも知られています。ここでは、建築好きやスポーツ観戦好き、街歩き好きの方をナビゲーターとしてお迎えし、その人独自のスタジアムの楽しみ方を語っていただくことで、スポーツ利用だけではない施設の奥深い魅力を紹介します。ご登場いただくのは、旅や散歩、クラシック建築やホテル、雑貨と暮らしなどを題材に執筆をおこなう文筆家・エッセイストの甲斐みのりさん。プライベートで散歩や気分転換に公園に足を運ぶことも多い甲斐さんに、駒沢オリンピック公園総合運動場を巡っていただきます。

当たり前にある空間が、“あってよかった”に変わる。

 駒沢公園にはじめて訪れたのは、大学一年生のとき。静岡出身で大阪の大学に通っていたのですが、ゴールデンウイークに高校の同級生が東京に集まることになって。近くでご飯を食べて、なにをするでもなくみんなで公園を歩いていました。当時、「東京といえば高層ビル!」という印象だったので、「こんなに大きな公園が都心にあるんだ」と感動したのを覚えています。今は建築に関する本を出版するほどの建築好きで、公園も大好きです。

 駒沢公園は、私の中では、公園の要素と名建築、スポーツが融合した特別なスポット。公園や建築物単体で存在するところは数多くありますが、それが街の中で融合している空間は珍しいと思います。私は日常的にスポーツをしているわけではありませんが、みんなが競技をしたり、走っていたりするのを見るだけでも元気になります。そういったスポーツ施設のかたわらで、おじいちゃんたちが座っておしゃべりをしたり、保育園の園児がお散歩していたり、犬の散歩をしていたり。それぞれが自分なりの方法で過ごしていて、生活とはまた違った人の営みが垣間見られるのが興味深いところです。

 記念塔や中央広場、体育館、陸上競技場を設計した芦原義信さんは、いち早く都市景観の重要性を提唱した建築家。周辺は住宅街なので、建物の高さを抑えて半地下の構造にするなど、そこに住む人や街になじむことを考えてつくられていることが実感できます。

「公園側から見ると屋根の一部という印象でしかありませんでしたが、スタジアムの中から見上げると、まるで森の中の大きな木の下にいるよう。 想像力が掻き立てられます」

「1964年東京オリンピックのレスリング会場になった体育館。青と緑の色の使い方や、プラスチックのシートの雰囲気がかわいい。空調がむき出しになった天井も珍しく、不思議な感じがします」

「オリンピック記念塔。大学生のときにはじめて駒沢公園に来た20年前のイメージが記念塔を通してありありと浮かんできます。そういうシンボリックな存在が街に50年以上も残されているっていいですよね」

 建築巡りの楽しみは、建物を見るのはもちろんですが、その街を歩くことにもあります。駒沢公園は敷地自体がとても広く自然も豊かなので、どこから歩くか、何を見るかによって、また季節によっても印象が大きく変わります。

 私は建築の中でもとくに“階段好き”なので、駒沢通りに面した大階段には必ず行きます。映画やドラマのロケ地としてもドラマチックな演出で使われることが多く、今回、陸上競技場の観客席に上がる階段にも感動しました。観客席につくまでには、エントランスで一度視界が遮られ、ゲートの階段を上ると視界が一気にひらけて目の前にグラウンドが広がる構造になっています。観客側の気持ちを盛り上げるために、階段が効果的に使われていることを実感しました。

 普段、わざわざ公園や公共施設を目指して出かける方はあまりいらっしゃらないかもしれませんが、当たり前のようにあるものが実は有名な建築家がつくっていた、実は歴史的なスポットだったということはよくあります。東京は意外と広くて、自分が普段使う以外の電車に乗って、隣の区の公園に行くだけでもハイキングや旅気分が楽しめるのでオススメ。

 そういった街の良さを常に探し出して、感じていくというのはとても大事なことです。建物は永久にあるものではないので、自分が生きている間にこそ、そこに足を運んで愛でる気持ちを持ち続けたいと思っています。そうすると、当たり前にあるものが、あって良かったものに変わります。自分でスイッチを入れるだけで、すごく特別に感じられます。あって良かったものが街中にあふれると、世界がどんどん輝いて見えるようになります。

甲斐さんに教わる、「駒沢オリンピック公園総合運動場」ここを見て!

  • ● 陸上競技場の内側から見る、天井の形は必見。

  • ● 体育館の緑、青、オレンジなどのエリアごとに異なるカラフルな配色にも注目。

  • ● 渦巻きのかたちをした白いスロープはぜひ写真におさめてみて。

「体育館のウォーミングスペースは半地下で天井はガラス張りになっていて、光がたっぷりさしこみます。東京オリンピックメモリアルギャラリーも併設されています」

「中央広場へ続くスロープは、くるっとしたカーブ具合がとてもかわいい。日常的にあるようでない構造などにときめきを感じます」

「駒沢公園は周辺にパン屋さんとかカフェといったお店も多く、行き帰りの寄り道も楽しいところ。公園の売店でソフトクリームを食べるのもおすすめ」

駒沢オリンピック公園総合運動場

駒沢オリンピック公園はヨーロッパ型の石畳の中央広場を中心に1964年オリンピックの名建築が建ち並ぶ。 都市計画家の高山英華が公園の基本計画を行い、体育館と記念塔を芦原義信が設計し、陸上競技場を村田政真が設計。


<アクセス>
東急田園都市線「駒沢大学駅」徒歩15分

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