公認軟式野球コーチ中川 渉さん
コーチングスキルを仕事でも活かし、
コミュニケーション能力の向上を図ります
コーチとしての始まり
日本スポーツ協会の公認コーチ1、ジュニアスポーツ指導員、全日本軟式野球連盟公認学童コーチの資格を持っています。長男が小学1年生で少年野球に入り、保護者として練習を見に行った際、当時の指導者からお話をいただき、コーチとして活動を始めました。
先輩指導者からは好きなように指導していいと言われましたが、教科書があるわけでもなく、感覚でやることにためらいを感じ、資格を取得することを決意しました。
NHKの通信教育に申し込んですぐに学科を取得した後、さらに上の資格を取得して8年ぐらいになります。資格継続には費用がかかりますが、礎が欲しかったことと、資格を持っているからこそ認められることがあるので、まったく気になりません。
指導者の原点は学童にある
コーチングのスキルは、実は私の仕事でも活かせています。経験から相手が何を感じているか、ただ仕事をしているのか、もっと伸びたいのか見分けることができるようになりました。指導者としての教育が、コミュニケーション能力の向上につながっていて、コーチの資格を取得してよかったと感じています。
指導者の原点は学童にあると思います。小学生は純粋で、表現が正直に顔、特に目に出ます。中学生は知恵がついて、隠しごとをしたり、言葉を変えたりします。円陣を組んだときの立ち位置だけで、要注意の子がわかります。
お互いに心を開きながら成長する
ハラスメントなどの問題に関して、有資格者だから安心とはいえませんが、車の免許と一緒で、関門をくぐってフィルタリングされていることは資格の有無でわかるはずです。
資格はできれば取得したほうがいいけれど、絶対なくてはいけないということではないと思います。生涯現役で勉強するのは、どの分野でも同じこと。歴史が変わっていくなかで、指導者は若い人とコミュニケーションをとりつつ、柔軟に基準を変えていくべきです。
今年50歳。あと20年間、新しく指導できる一人でも多くの子どもたちに対し、これまで培ってきた経験を「教える」というスタンスではなく、お互いに心を開きながらゴール設定の手伝いをしたいと願っています。すでに設定ができている子に対しては、ゴールに導くためにはどうするかという選択肢をしっかりと提示できたらいいなと思います。