東京のスポーツ案内サイト
スポピタ

スポーツ推進企業所属アスリートに聞いてみた!~ボッチャ普及に向けたアスリート社員の仕事とは~

株式会社CAC Holdingsさん(以下、CAC)は2016年より、継続してボッチャの普及・支援活動に取り組まれています。その活動が評価され、東京都が認定している東京都スポーツ推進企業の支援部門において、令和5年度のモデル企業として表彰されることとなりました。

「ボッチャといえばCAC」と呼ばれるほどになった企業で、CACのボッチャアスリートとして活躍しながら、社員としてもボッチャ普及に尽力されている佐藤駿選手、唐司あみ選手にインタビューをしてきました!

 

 

<スポーツ推進企業とは>

東京都が認定した、従業員のスポーツ推進やスポーツ支援に取り組んでいる企業のこと。認定した企業のうち、特に先進的な取組や波及効果のある取組をしている企業については、モデル企業として表彰される。

 

選手紹介

佐藤 駿(さとう しゅん)選手

小学3年生からボッチャを始め、国内外の大会で活躍、2023年1月の第24回日本ボッチャ選手権大会ではBC2クラス男子で3位に入賞しました。今後さらなる活躍が期待されるトップアスリートです。

 

【主な戦績】

<2024年>

第25回日本ボッチャ選手権大会 4位

第19回関東ボッチャ選手権大会 優勝

<2023年>

第24回日本ボッチャ選手権大会 3位

Fortaleza 2023 World Boccia Cup 団体6位入賞

唐司 あみ(とうのし あみ)選手

唐司選手は、高校入学を機にボッチャを始め、国内外の大会で活躍、2024年1月の第25回日本ボッチャ選手権大会ではBC4クラス女子で2位に入賞しました。現在は、日本ボッチャ協会の強化指定選手として試合経験を積みながら技術力を向上させ、さらなる活躍を目指します。

 

【主な戦績】

<2024年>

第25回日本ボッチャ選手権大会 準優勝

<2023年>

Póvoa de Varzim 2023 World Boccia Cup ペア3位

第24回日本ボッチャ選手権大会 準優勝

佐藤選手と唐司選手のインタビュー

自身とボッチャの関係について

-お二人は、どのようなきっかけでボッチャを始められたのでしょうか。

佐藤選手

僕はですね、小学校3年生の時に、車いす工場で、当時の日本ボッチャ協会の方に偶然お会いして、「ボッチャやってみない?」と誘われたのがきっかけです。

 

唐司選手

私がボッチャを始めたきっかけは、リオパラリンピックで、日本代表の方がメダルを獲得したニュースを偶然目にしたのがきっかけです。自分もできるかなと思い、国のタレント発掘・育成プログラムを受け、それを通じて高校一年生の時から競技を始めました。

 

 

-練習場所は身近にあったのでしょうか?

佐藤選手

私の場合は、ボッチャを紹介してくださった方が、当時のパラリンピックに出ていた選手のクラブチームを紹介してくださり、その方たちと練習をしていました。

当時は横浜(横浜ラポール)で練習していたのですが、その選手が東京にも在住していたので、東京でも練習をしました。

 

唐司選手

高校時代、ちょうど私が入学した年にボッチャ部ができたので、部活動で練習をしていました。また、同年代の特別支援学校に通う、ボッチャを始めたての選手とクラブをつくったので、そこで一緒に練習をしていました。

CACとの出会いと入社後の印象について

-CACに入社しようと思ったきっかけは何ですか?

佐藤選手

JOC(日本オリンピック協会)、JPC(日本パラリンピック協会)の方と、CACと私を含めて面接機会があり、そこでCACのことを知りました。

これからもボッチャを続けたいと思っていたので、CACがボッチャをサポートしてくれているという話を聞いて、自分のやりたいことと、ボッチャを応援してくれるというところがちょうどぴったりはまったので、CACを選びました。

 

唐司選手

私は高校生の頃に、CACが主催する特別支援学校向けのCACカップという大会に、学生として参加していたんです。すごく身近な企業でもあったし、ボッチャを楽しむきっかけの一つにもなった大会だったので、CACに自分も入りたいなと思って入社しました。

 

 

-入社して、実際にCACの一員となった時はいかがでしたか?

佐藤選手

自分は今まで選手として大会に関わっていたんですけど、先ほど唐司選手がお話ししてくれたCACカップを運営していく中、準備とかを見て、大会を開催するまでにものすごい努力があるんだ、ということを知りました。それに、自分も会社に入って、全部ではないんですけど少しずつ企画・運営をしていく中で、社会の勉強にもなりました。

 

唐司選手

私はまだ入社して4ヶ月なので、学んでいる最中ではあるんですけど、自分が出ていたCACカップという大会に対して、企業側から参加することで一つの大会にいろいろな人の考えだったり、努力だったりがあると改めて知ることができました。私も参加者側から作り手側に回って、不思議な気持ちがありますが、さらに大会が楽しみな気持ちにもなりました。

CACカップの様子

 

-社内の方との交流はありますか?

佐藤選手

そうですね、月2回の練習会に参加したり、あとは、大会が終わった後、別部署の社員さんから「お疲れ様」と言ってもらえたりしています。仕事をしながら、たまに試合中のプレーについて「なんでああいうふうにしたの?」と細かく聞かれることもあります(笑)。ボッチャに関わっている人はもちろんですが、関わってない人も話しかけてくれたりするんです。

 

唐司選手

私は、まだ機会は少ないですが、練習会に一度だけ参加させてもらいました。今後も予定が合えば参加して、社内での交流を深めたいなと思っています。

 

 

-唐司選手は7月に(入社)歓迎会をされたとお聞きしたのですが…

唐司選手

あ、そうです。歓迎ボッチャ大会を開催していただいたのですが、みんなボッチャに本気で、作戦とかもすごく考えながらやっていて、ボッチャが大好きな感じがすごく伝わってきて、楽しかったです。

CACのアスリート支援について

-CACのアスリート支援について、どのような支援を受けているのか教えてください。

佐藤選手

大会があるときは勤務扱いにしていただいたり、遠征費用を出していただいたりとか、あとは、自分のユニフォームの支給ですね。

 

唐司選手

そうですね、やはり合宿や遠征の時の扱いがどうなるのかは、就活をしているときの一番のネックだったので、そこが出勤扱いになるのは、だいぶ助かりました。

 

 

-では、そのCACの支援について、「ここがありがたい!」というポイントはありますか?

佐藤選手

そうですね、日本選手権の時に応援ツアーを組んでくれるっていうのがあって。「頑張れ」と応援してくれるのが力になったりします。勿論、先ほどの遠征費もありがたいんですけど、やっぱり一番は応援ツアーを組んでくれるというのが、自分の力の源になります。プレッシャーでもあるんですけど、リラックスしてできる一つの要因ですね。

 

唐司選手

佐藤選手と似てしまうんですけど、応援していただけるのはすごく力になっています。6月にCAC所属になって初めて国内大会に出たんですけれど、所属部署の方々が、開催地の福島までわざわざ応援に来てくださいました。

試合中も応援の声がすごい聴こえて力になったし、自分も自信を持って戦うことができて、日本選手権の出場権を取れたので、とてもありがたい存在だなと感じました。

唐司選手の応援に行った際の1枚

 

CAC社員としての普及活動

-今度は社員として、ボッチャの普及活動についてお聞かせください。

佐藤選手

基本的には、僕の方はボッチャ体験会の講師として「こういう風にした方がいいよ」、というボッチャの指導をしています。

あとは、CACカップのところで、少しですけど、携われるところは携わっています。

 

唐司選手

ボッチャ体験会はこれまで1回だけ参加させていただいたことがありましたが、これから、是非いっぱい参加していきたいと思っています。

CACカップでは、予選リーグで負けてしまったチームと交流試合をするようなかたちになると思うんですけど、やはり私が参加していたときに感じたこと、学生時代の試合の経験は今でも覚えているし、学びも多かったので、大会で少しでも一緒にプレーして、参加者がボッチャを楽しむきっかけになってくれたらいいなと思っています。

 

 

-今後、教室等で自分がやってみたいことはありますか?

佐藤選手

そうですね、今は自分が教える立場ですが、ゆくゆくは企画や準備も含めて全部やれるようにしていきたいです。

 

唐司選手

まだ少し先を想像するのは難しいところではありますが、初めてCACカップを担当するので、来年以降携わる部分をどんどん増やしていけたらいいなと思っています。

アスリートとして、社員としての、これからの目標

-最後に、アスリートとしての目標と、CACの一員として、ボッチャ普及のためにどのようなことをしていきたいかお聞かせください。まずは、CAC社員としてのボッチャ普及に向けた目標からお願いします。

佐藤選手

リオ2016パラリンピック、東京2020パラリンピックときて、競技人口、ボッチャを知っている人が増えては来ているんですけど、まだまだやっぱり(ボッチャを)知らない人たちもいます。その人たちに向けて、「ボッチャって、こういう競技なんだよ」と自分や唐司選手が教えて、いずれボッチャと言えば、誰でも分かるぐらいにするというのを普及の一つの目標にしています。

 

唐司選手

体験会だったり、CACカップだったり、色んなイベントに少しでも参加して、ボッチャを知っていただくきっかけを増やしていけたらと思っています。私自身、日本代表がリオでメダルを取らなかったら、ボッチャという競技を知らなかったし、始めてもいなかったので、ボッチャに触れる機会を少しでも増やせるような活動をCACでしていきたいと思っています。

 

 

-では、アスリートとしての目標についてお聞かせください。

佐藤選手

パリ2024パラリンピックが終わったばかりですけど、やはり一番は4年後の2028ロサンゼルスパラリンピックに出場することです。その大目標を達成するために、まず第一歩として日本選手権で成績を残して日本代表になり、次に国際大会に出場して世界ランキングを上げていく必要があります。

 

唐司選手

佐藤選手と似てきてしまうのですが、2028ロサンゼルスパラリンピックに出場することは一番大きな目標です。今回のパリ2024パラリンピックはいいところまではいっていたんですが、今年の最終選考で負けてしまって、出場権を逃してしまいました。東京、パリときて、三度目の正直で、ロスでは絶対に出場権を取っていきたいなと思っています。

直近の目標だと、同じく日本選手権でしっかり成績を残していきたいと思います。去年は2位で、女性選手が少ない中、2位というのは自分としても悔しいところがあるので、次こそは優勝したいと目標を立てて練習をしています。

 

 

 

株式会社CAC Holdings所属アスリートとしても、一社員としても、ボッチャを広めるために活動し、色々な面からボッチャの魅力を発信していくお二人に、今後も是非ご注目ください!

公式SNSは
コチラから