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競技紹介、ルール・専門用語等紹介

ボクシング

両拳で狙うは上半身のみ。
自分の技術と相手の弱点を見極め、
一瞬の隙をついて勝利をつかむ

ボクシング

古代オリンピックの時代、ボクシングは「相手が負けを認めるか気を失うまで試合を続ける」というルールで、ときに死亡者が出るほど危険な競技でした。それゆえ、5世紀初めにローマ皇帝によって「残忍すぎる」との理由で禁止され、18世紀までスポーツとしての歴史は途絶えたのです。

1867年に、イギリスでグローブ着用義務など安全を期したルールが制定され、現在のボクシングのルールの基礎となりました。

近代オリンピックでは1904年セントルイス大会以降、1912年ストックホルム大会を除き、すべての大会で実施されています。女子は2012年ロンドン大会から正式採用されました。2016年リオデジャネイロ大会よりプロの参加が解禁となっています。

競技ルールと用語

体重別に階級が分かれ、勝ち抜きトーナメント方式で行われる。年齢によって、国内大会はUJ(アンダージュニア)小学生・UJ中学生・ジュニア・シニアに、国際大会はジュニア・ユース・エリートに区分される。

男女ともに1試合につき、シニア3分3ラウンド、ジュニア・UJ中学生2分3ラウンド、UJ小学生1分30秒3ラウンド行い、すべて各ラウンドの間に1分の休憩をおく。

ボクシング
競技方法

四角いリング上で2人の選手が向かい合い、グローブをはめた左右の拳で相手と打ち合って勝敗を決める。攻撃手段はパンチだけで、攻撃できる範囲は相手の上半身前面と側面、つまりトランクス上部のベルトラインよりも上のみに限られる。
この限られたルールのなかで反則を伴わず、相手の隙をどう突くか、どう打ち崩して相手を倒すかというシンプルな目的のために鍛錬するストイックな精神性が際立つ競技。

戦いのスタイルは選手それぞれに個性的。強打に自信を持つ選手が猛パンチを浴びせて相手を消耗させようとするかと思えば、ディフェンスに定評のある選手がひたすらガードを固めて相手の攻め疲れを待ち、相手の防御の隙をついた渾身の一撃でノックアウトをものにすることもある。
また、足を使って常に有利なポジショニングを計りながら試合を自分のリズムに持っていく、細かく繰り出す攻撃のコンビネーションによって相手の防御を崩して急所を狙うなど、選手はそれぞれ得意な戦法を組み合わせて相手を攻略していく。

階級一覧(東京2020大会)

男子
フライ級(48〜52kg)
フェザー級(52〜57kg)
ライト級(57〜63kg)
ウェルター級(63〜69kg)
ミドル級(69〜75kg)
ライトヘビー級(75〜81kg)
ヘビー級(81〜91kg)
スーパーヘビー級(+91kg)
女子
フライ級(48〜51kg)
フェザー級(54〜57kg)
ライト級(57〜60kg)
ウェルター級(64〜69kg)
ミドル級(69〜75kg)

パンチの種類

ジャブ
相手に向かって斜めに構えたときの前方の手で最短の距離を通って前に放つパンチ。最も多く使う。最速だが威力は低い。相手との距離を測り、牽制し、フェイントをかけ、次の攻撃につなぐ。
ストレート
体の回転を使ってリーチを最大限に使い、まっすぐに打つパンチ。速く、威力があるが、パンチの打ち終わりに隙ができて反撃されやすい。
フック
腕を曲げて、体の回転で巻き込むように打つパンチ。遠心力で大きな威力を発揮できる。腕を曲げる角度によってショートフックやロングフックなど、距離を変えることができる。
アッパー
体の回転を利用して下から突き上げるパンチ。相手のアゴを狙い、ダウンを奪う。また、相手の上体を起こして次の攻撃につなげる。
審査方法

ボクシングの試合は、さまざまな決着方法で勝敗が決まる。競技判決の種類には、3分3ラウンドの試合が終わった時点で5人のジャッジの採点で判定されるポイントや棄権などによるテクニカルノックアウト、ダウンして10秒以内に競技を続けることができないノックアウトなどがある。

ポイント
ラウンドごとの各ジャッジが与えた得点により勝者を決定し、競技の勝者はジャッジの多数決により決定。また、偶然の負傷等で競技ができない場合はそれまでの得点で勝者を決定する。
アバンダン
競技者が負傷等により自発的に放棄するか、セカンドがリング内にタオルを投げ入れるか、エプロンに上がり放棄を申し出たとき。
レフリーストップコンテスト(RSC)
片方の競技者に決定的な差がついている場合や劣勢な競技者が過度な打撃を受けているとレフリーが判断した場合。
レフリーストップコンテストインジャリー(RSC-I)
競技者が反則でない打撃により負傷して競技続行が不適切と判断した場合。
失格(DSQ)
1競技で3回の警告を受けた場合。ただし、無警告で失格になることもある。
ノックアウト(KO)
ダウン後10秒以内に競技ができない場合。レフリーがダウンした選手に異常を感じ、カウントを省略してリングドクターを呼び入れた場合。
不戦(WO)
一方の競技者がリング内に登場して相手競技者がアナウンス後、リング内に現れない場合にゴングが鳴らされる。ゴングの後1分間が過ぎてもリングに登場しない場合、リングに登場している競技者のWO勝ちとなる。
競技者が健診や軽量で失格になった場合、相手競技者は不戦勝となる。

見どころ見どころ

「拳と拳、上半身のみを攻撃」という格闘技のなかでもかなりシンプルで限定的なルールが、逆に多彩な攻撃スタイルを生み出すのがボクシングの醍醐味です。
3分3ラウンドの短期決戦なので、ファーストラウンドから積極性のある技術や戦術の展開によって競技を支配することが要求されます。
試合までのコンディショニングの維持、ダメージの回復、相手選手の研究等を含むチームの組織的なサポート&バックアップ体制も勝敗を分ける重要なポイントです。

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