スノーボードの発祥は1960年代のアメリカといわれています。競技としては1983年にアメリカのカリフォルニア州で、「ワールド・スノーボーディング・チャンピオンシップ」というハーフパイプの大会が世界で初めて行われました。
その7年後には国際スノーボード連盟(ISF)が設立され、1994年には国際スキー連盟(FIS)がスノーボードをFISの競技として導入。冬季オリンピックでスノーボードが採用されるきっかけとなりました。
1998年長野大会から冬季オリンピックの正式種目として採用され、大回転とハーフパイプの種目(男女とも)が行われました。
競技ルールと用語
サーフィン、スケートボード、スキーの要素を合わせた競技がスノーボード。
ハーフパイプ(試合場)の大きさは大会のグレードによって異なる。オリンピックやワールドカップを主催する国際スキー連盟(FIS)の大会の場合は、スタートからゴールまでの距離は150~190mで、幅は19~22m。深さ(一番低い底辺から壁の一番高いところまで)は6.5~7m。
- 競技方法
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ハーフパイプは円柱を半分にカットしたような試合場で、振り子のように行ったり来たりしながら斜面を滑り、左右の壁を利用して技を披露する。
ジャンプの高さと繰り出す技の難易度や完成度で得点を競い合う。技は入り方(フロントサイドorバックサイド)、グラブ、回転数によって名称が決まる。現在は4回転が最高峰の回転数で、これが縦回転と横回転の複合の場合はダブルコークの1440°と呼ばれる。
- レギュラースタンス
- 左足が前で右足が後ろのスタンス。
- グーフィースタンス
- レギュラースタンスとは逆で右足が前で左足が後ろのスタンス。
- ドロップイン
- ハーフパイプに入ること。
- エア
- ジャンプのこと。
- フロントサイド
- 斜面に胸が向いた状態の滑り。
- バックサイド
- 斜面に背中が向いた状態の滑り。
- トゥエッジ
- スノーボードのつま先側の端のこと。
- ヒールエッジ
- スノーボードのかかと側の端のこと。
- ボトム
- ハーフパイプの底辺の水平部分。
- トランジション
- ハーフパイプの円弧状の斜面。
- デッキ
- ハーフパイプの頂上の水平部分。
- リップ
- エアの飛びだし口。デッキの縁の部分。
- ダブルコーク
- ダブルコークスクリューの略。縦回転と横回転が同時に入るジャンプ。
- グラブ
- 空中でボードをつかむこと。つかむ手や位置によって名称が異なる。
- ミュートグラブ左手でトゥエッジをつかむグラブ。
- メランコリーグラブ左手でヒールエッジをつかむグラブ。
- インディグラブ右手でトゥエッジをつかむグラブ。
- メソッドグラブ右手でヒールエッジをつかむグラブ。
- 回転数
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- 180°(ワンエイティ)半回転
- 360°(スリーシックスティ)1回転
- 540°(ファイブフォーティ)1回転半
- 720°(セブントゥエンティ)2回転
- 900°(ナインハンドレッド)2回転半
- 1080°(テンエイティ)3回転
- 1260°(トゥエルブシックスティ)3回転半
- 1440°(フォーティーンフォーティ)4回転
- 審査方法
- 審判は6人のジャッジとそれを統括するヘッドジャッジの7人。6人のジャッジが100点満点で採点し、そのなかで一番高い点数と一番低い点数をカットして、残りの4人の点数の平均がスコアとなる。予選は2本、決勝は3本。一番点数の高い選手が優勝となる。
技の高さ、難易度、完成度がベーシックな採点の観点となる。それに加えて技と技のつなぎのコンビネーションなどの演技構成も含めて、ジャッジの主観で採点される。
一度の演技で行う技は4回の選手もいれば7回の選手もいて、回数に決まりはない。回数を多く行って、なおかつ高さも出せば高得点につながる。
- 用具・着衣
- FIS主催大会ではヘルメットの着用が義務化されている。それ以外に着衣のルールはなく、ウェアは選手が自由に選ぶことができる。ボードのサイズにも決まりはない。一般的な男子選手は150~155㎝くらいのボードを使用しているが、短くて長くてもルール上問題はない。
見どころ
華麗なエアトリックの連発が一番の見どころ。縦回転と横回転が組み合わさった高難度の技をつないでいく難しさやダイナミックな高さ、技の華麗さは、知識がなくてもすごさが伝わります。
回転数の多いトリックや、斜め回転を連続で行う3Dトリックなど、選手によって特徴や戦略が異なります。