ゴルフは現存する体系化されたスポーツのなかでも最も古いスポーツのひとつで、最初のルールはスコットランドのセントアンドリュースで1754年に成立されました。しかし、一部の研究によると「コルフ/colf」または「コルフェン/kolven」という名のよく似た競技がそれよりずっと前からオランダに存在し、15世紀にイギリスに伝えられています。
大会方式とルールは18世紀の後半に生まれ、19世紀の終わりには初の女子大会が誕生。最初のゴルフコースは、1864年にイングランドで建設されています。
オリンピックでは、1900年パリ大会と1904年セントルイス大会で開催された後、除外されていましたが、2016年リオデジャネイロ大会で112年ぶりに復活しました。
競技ルールと用語
ゴルフコースはホールごとに距離や地形が異なり、砂地(バンカー)、池などの障害物、芝の状態、風の強さや方向など、さまざまな自然条件のなかで行われる。
天候もプレーヤーを大きく悩ませる。雨による地表や芝の状態、風の強さや方向など、同じコンディションは二度とないところがゴルフの面白さであり、奥の深いスポーツといわれるゆえんでもある。
- 競技方法
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ゴルフは非常にシンプルなスポーツで、規則にのっとったストローク、またはストロークの連続によって静止したボールをクラブで打ち、ティーグラウンドから直径108mmの小さな穴(カップ)まで、いかに少ない打数で入れられるかを競う。
最もよく使われている大会方式は、ストロークプレーとマッチプレーの二つ。
地形のアップダウンがあったり曲がっていたりと、コースはさまざまで、それぞれ難易度が変化する。
各ホールには「3打」「4打」「5打」など規定の打数が設定されている。18ホールのゴルフコースのパーは72が一般的。72より1打少ない71で終わると「1アンダー」、2打多い74で終わると「2オーバー」という。- ストロークプレー
- コースを終えるまでの総ショット数で勝敗を決める。現在のメジャートーナメントでは、競技は1ラウンド18ホールで構成され、男女ともに4日間で4ラウンド72ホールをプレーし、合計打数の少ない順に上位となる。
なお、同位に複数選手がいる場合、通常の大会は1位のみをプレーオフ(延長戦)で決定する。オリンピックでは2位や3位までプレーオフで決定する。
- マッチプレー
- 1対1の対戦形式で、ホールごとに勝敗をつけ、勝ったホール数が最も多いプレーヤーが勝者となる。マッチプレーでは18ホールをまわり切るとは限らず、逆転不可能な差がついた時点で終了となる。例えば、残り5ホールでいずれかが6ホールリードしていれば、逆転は不可能であるため、試合は打ち切りとなる。
- ティーインググラウンド
- スタート地点。
- パッティンググリーン
- 表面の芝は最も短く刈られていて、ポテトチップの様なうねりがある。傾斜もホールごとに異なり、最も神経を使うエリア。
- フェアウェイ
- ティーインググラウンドからパッティンググリーンまでの芝が短く刈られたエリア。
- ラフ
- フェアウェイ左右の芝が長く伸びたエリア。
- 障害物
- 池やバンカー(砂地のくぼみ)などのエリア。
- パー
- 規定打数と等しい打数でカップに入れること。
- バーディー
- 1打少ないこと。
- イーグル
- 2打少ないこと。
- ボギー
- 1打多いこと。
- ダブルボギー
- 2打多いこと。
- 罰則
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審判員が立ち会わないこともゴルフの大きな特徴。ゴルフがフェアプレーを重んじ、「ゴルファーはみな誠実であり、故意に不正をおかす者はいない」という基本的な考え方に基づいている。
また、ゴルフ規則書に規定されている罰則は、ゴルフ規則を知らなかったり、過失によってその処置を誤ったりしたプレーヤーに対して、競技全体の公平さを図る観点から決められている。
- 用具
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打つ道具であるクラブはそれぞれ用途が異なり、最大14本まで持ち歩ける。
- ウッド類(ドライバー等)ボールをより遠くに飛ばすことができるクラブ。ドライバーショットの迫力はゴルフの醍醐味。
- アイアン類正確性を重視するクラブ。ボールを打つ面の角度が異なり、3番アイアンは角度が直角に近いので低い弾道で遠くに飛ばせるが、角度があるピッチングアイアンは高く上がるので距離は出ない。
- パターターゲットとなるパッティンググリーンで使う。
見どころ
プレーヤーが状況に応じてどのクラブでどんな攻め方をするか、1打1打の判断力とテクニックが競技の見どころのひとつです。
また、メンタル面の強さが勝敗を大きく左右するスポーツなので、各選手が重要な場面で重圧に打ち勝てるかどうかも注目ポイントです。