テニスの歴史は長く、現在行われている競技はイギリスで誕生したと考えられています。現代のテニスの原型が誕生したのは11~12世紀で、フランス修道院の回廊で貴族が手のひらや手袋で球の打ち合いを楽しんだのが始まりです。16世紀になるとテニスはさらに盛んになり、「ジュ・ド・ポーム(手のひらを使ったゲーム)」と呼ばれ、王宮貴族の遊びとして定着しました。
近代のテニスは1874年にウィングフィールド少佐によって考案され、屋外でできる新しいラケットゲームとして発展していきました。
オリンピックでは、男子が第1回の1896年アテネ大会、女子が1900年パリ大会より正式採用されています。テニスのプロフェッショナル化により1924年を最後にオリンピックから除外されていましたが、プロ選手の参加が認められるようになり、1988年のソウル大会から復活。男女シングルスと男女ダブルス、混合ダブルスが行われています。


競技ルールと用語

通常5セットまたは3セットマッチで行われ、それぞれ3セットまたは2セットを先取した方が勝者となる。種目は男女シングルス(1対1)とダブルス(2対2)、男女ペアで戦うミックスダブルスがある。
テニスコートのサイズは、縦23.77×横10.97m。コートの横幅をフルで使うのはダブルスのみ。

- 競技方法
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コート中央のネットをはさみ、ラケットを用いてワンバウンドまたはノーバウンドでボールを打ち合い、得点を競う。試合開始前のトスで決まった一方のプレーヤーがサーバー、他方がレシーバーとなり、ゲームごとに交替する。
サーブを打つ側が有利とされているため、自分のサービスゲームを確実にキープしながら、自分には不利な相手のサービスゲームをどれだけブレイクできるかが勝負のカギ。- サービスエース
- 相手がレシーブできず、そのままポイントとなるサービス。特にレシーバーがラケットに当てられなかった場合はノータッチ・エースという。
- サービスキープ
- サーブ権を持つゲーム(サービスゲーム)を勝ち取ること。
- ブレイク
- 相手のサービスゲームを勝ち取ること。これを取ればブレイクできるポイントをブレイクポイントという。
- ラブゲーム
- 1ポイントも取れなかったゲーム。
- アドバンテージ
- デュースの際に、一方が1ポイントを取って優位にある状態。アドバンテージを握った選手が次のポイントも取ると、その選手がそのゲームを奪うことになる。
- フォールト
- サービスを失敗すること。
- ダブルフォールト
- サービスを2度とも失敗すること。相手に得点が入る。
- 得点方法
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1セットを取るためには6ゲームを先取することが必要で、1ゲームは4ポイント先取となっている。ポイントは0(ラブ)、15(フィフティーン)、30(サーティー)、40(フォーティー)とカウントする。40-40の場合はデュースとなり、2ポイント連続で取った方がそのゲームを獲得できる。
ゲームカウントが5対5になった場合は7ゲームを先取した方が1セットを獲得。6対6になったときは、7ポイント先取のタイブレーク(6ポイントで並んだ場合は、以降2ポイント差がつくまで)が採用される。またダブルスでは最終セットが、10ポイント先取のタイブレーク(9ポイントで並んだ場合は、以降2ポイント差がつくまで)となる。
- 用具
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- ラケット重さ200~340g。ストリングス面(網の部分)は全長39.37cm以内、全幅29.21cm以内。
- ボール表面が均一で平らなフエルトでカバーされたもの。色は白色または黄色。継ぎ目のある場合は縫い目のないもの。直径6.54~7.30cm、重さ56.0~59.4g。
見どころ
サーブ、ボレー、ストロークなど、選手によって得意なプレーが異なり、弾丸サーブやネット際のドロップショット、激しいラリーなど、高度な技の応酬が見どころです。
華麗なテクニックのみならず、対戦競技ならではの駆け引きがあり、メンタル面が強く影響します。気持ちのコントロール次第で試合の流れが変わり、自滅することもあるので、最後まで目が離せません。